PROJECT STORY 07

ハノイの空の玄関口、ノイバイ国際空港
インフラを支えるJESCO グループ

―ノイバイ国際空港第2旅客ターミナル新築工事―

世界の注目を浴びる新興国・ベトナム
その潜在力を引き出す鍵は交通インフラの整備

若く豊富な人口を背景に、力強く発展を続ける東南アジア。
なかでも、ドイモイ政策(*1)以降の市場経済化と国際化に着実な成果が見られるベトナムでは、2000年以降のGDP経済成長率が平均6~7%と順調に推移(*2)。その潜在力には世界から熱い視線が注がれている。

ベトナムには、メコン川を利用した活発な物流など、その地理的条件から東南アジア地域のハブとして位置付けられてきた歴史がある。近年も観光目的の出入国が急増していることに加え、2015年末にはASEAN共同体が発足。ASEAN域内の「ヒト・モノ」の移動がさらに活発化することが見込まれており、ベトナムは現在、喫緊の課題として交通インフラの整備に取り組んでいる。

 

*1 1986年にそれまでの社会主義から資本主義へ大きく転換するきっかけとなった政策。

*2 IMF(国際通貨基金)のデータより。

ベトナムの命運を握る壮大なプロジェクトにJESCO ASIAが参画

2007年、ベトナム政府は首都・ハノイの空の玄関口であるノイバイ国際空港の輸送力増強を計画する。ベトナム北部最大の規模を有する同空港に第2ターミナルビル(Noi Bai T2)を新設し、旅客処理能力を年間900万人から1900万人へと引き上げるビッグプロジェクトである。新設するNoi Bai T2の規模は、東京ドーム3個分以上に相当する総延床面積約15万㎡という壮大な計画であった。
そしてこのとき、電気設計・施工管理と、電気設備の電灯設備工事を引き受けたのが、JESCOグループのベトナム拠点であるJESCO ASIAである。

 

ビッグプロジェクト受注のカギとなった
ベトナムでの実績と高い評価

「首都であるハノイで国際空港ビルの電気設備工事を受注することは、JESCO ASIA設立以来の夢でした」。そう語るのは、同プロジェクト受注の立役者である加藤直行(現JESCOホールディングス執行役員)だ。

Noi Bai T2は日本のODA案件であり、参画には高い技術水準が求められる。建設会社と密接なリレーションを図って受注を実現した加藤は、その厳しい条件をクリアした背景に、ベトナムに進出して15年という実績があることを実感していた。たとえば、JESCO ASIAは同国のタンソンニャット国際空港(ホーチミン市)における新国際旅客ターミナルの施工監理で手腕を発揮し、2007年に運輸大臣からゴールドメダル賞を授与されている。こうした評価が受注につながっていった。

「仕事への評価が大きなプロジェクトの受注につながるのは、技術者集団の醍醐味です。Noi Bai T2は、国を代表する空港ビルに関わるという喜びや誇りをJESCOグループに与えてくれました。母国に貢献できるベトナム人技術者の熱意も相当なものがありました。まさにグループの歴史に残るターニングポイントになったのは間違いありません」(加藤)。

ここから、JESCOグループの新たな一歩が始まった。

(2017年9月掲載)

JESCOホールディングス株式会社
執行役員(海外設計統括)

加藤 直行

KATO NAOYUKI

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